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すべての経験は、建築の道へとつながっていた(3)

希少な一級建築士

「本澤建築設計事務所を継ぐ」という決断をした僕は、入社にあたって代表取締役である父と右腕を務める専務に経歴書と自己診断書を提出し、正式な面接を受けました。二代目としてのバイアスがかかった状態ではく、ひとりの人間としての僕を予断なく評価してほしいと考えたからです。そして幸い(?)にも無事に入社試験に合格し、晴れて「本澤建築設計事務所」の一員となれたのです。随分と遠回りしたけど、ようやく本心に向き合い、目指していた未来への第一歩を踏むことができました。

厳しかったけれど、自分たちの理想を押し付けることなく、僕が望む道を生きさせてくれた両親。北海道の大自然の中、酪農の勉強をさせてくれた両親。その上、浪人してまで別の大学へ進学させてもらえたのです。父と母のおかげで、本当にたくさんの人生経験を重ねることができました。乳搾りや牛の種付けができる一級建築士は、おそらく日本中探しても僕一人。希少な存在だと自負しています。

実際に事務所に入ると、それまでとは畑違いの業務がほとんどでしたから、苦労することも多々ありました。そこで僕は、何かしらできることから始めようと考え、建築設計のほか、水門の設計などの仕事を自分で見つけては、日々取り組んでいました。

まず、自分ができることから始めていった

少しずつ経験を積む中で、徐々に建築物の仕事も任せてもらえうようになっていきましたが、それでも力不足は明らかでした。建築士の資格はあるものの、自分が受け持つ仕事がプロジェクトのどの部分を構成しているのか考えることもできず、ただただ目の前のタスクを淡々とこなすことで精一杯でした。最初のうちは「やらされている」感覚で仕事をしていましたが、と同時に「このままではいけない」という危機感も抱えていました。

そこで僕は、わからない仕事にも自分から率先して向き合うことにしてみました。すると不思議なことに、知りたかった情報が向こうからやってくるようになったのです。苦手な仕事や未経験な分野であってもポジティブに捉えることで、見えなかったことが見えるようなったり、誰かが助けてくれたりして、事態が好転していく。自分の姿勢次第で正のスパイラルが発生するという真理を、仕事を通して感じ取ることができました。この体験は、その後の僕にとって大きな収穫となっています。

当時はまだ小さい事務所でだったこともあり、幸いにも先輩社員との軋轢はありませんでした。とはいえ自分を認めてもらうには、スキルや資格だけではなく、実際の仕事で証明しなくてなりません。そこで僕は少しでも事務所スタッフの役に立てるよう、業界の内外でのネットワークを築くことに注力し、営業力や情報力を高めるよう努力しました。そのような中、事務所内での僕のポジションも、徐々に安定定期なものになっていきました。

人生遠回りしたけど、無駄ではなかった

今思えば、先輩社員たちとの関係性を良好に保てたことも、それまでいろいろな人生経験をさせてもらっていたからかもしれません。大学時代のアルバイトでは、周りはみな年上の方々ばかりでした。就職先では親会社が何度も変わり、その度に新しい上司が着任し、異なる企業文化に対応しなくてはなりませんでした。そういった環境の中で周囲との信頼関係を築くには、なによりもまず相手の立場を尊重することが大切だと学んでいたのです。

また以前の会社での経験を通じ、トラブルや事故に対しては、迅速かつ誠実に向き合うことが最大のリスク対策となることも学んでいました。ですから何か問題が発生すれば、いつどんな時でも僕が矢面に立つよう心がけました。本音では逃げ出したい時もありましたが、事態を最短で収めるには、しがらみのない僕が前面に出て、ていねいに対応するのがベストです。ボヤのうちに火を消さないと、あっという間に炎上し、収拾がつかなくなってしまいます。真っ先に僕が泥をかぶれば、事務所や社員、社長を守ることができる。そう考えたのです。

失敗も貴重な経験値

もちろん、失敗も多々ありました。例えば県外の大型施設の設計を担当た時のことですが、通路幅の条例が栃木県と異なっていたのです。しかしその事実を知ったのは、なんと施工が済んだ後のこと。もうすでに建物は完成してしまっていました。

こちらのミスですから、私たちが責任を負わなくてはなりません。とはいえ施設を解体したのちに再施工を行うとなると、莫大な費用が必要になります。

「どうにかしなくては」。そう考えた僕は、その県の所轄官庁へ連日のように足を運び、相手担当者たちと「用語の定義は何を指すのか」を根本から噛み砕き、互いが納得できる落とし所を探したのです。その結果、なんとか最小限の追加工事で済ませることができました。

この件で学んだのは、「大丈夫だろう」という甘い見通しのまま踏み出す危険性です。必ず裏付けを取り、議事録を作成しておくことが大切だと思い知らされました。

変化を恐れず挑戦することの大切さ

僕が本澤建築設計事務所に就職して、今年で20年。代表取締役に就いてからは5年になりますが、未だに「本澤宗夫さんのご子息ですね」と言われます。それでも二代目としての色眼鏡で見られないよう、「変えてはいけないもの」と「変えていくべきもの」を見極めながら仕事に向き合っています。

本澤建築設計事務所には、創業者をはじめ多くの先輩たちが培ってきてくれた「信頼」があります。今の僕たちとって、それはとても大きな財産です。その恵まれた環境を活かしつつも、甘えることなく前を向いて進んでいくには、同じことだけを続けていては務まりません。時代が変化していく中、これまで通りのままでは、せっかくの信頼を少しずつ消耗していくだけなのです。

経営者として脂がのった時間は限られています。時流が求める新しい建築の道を極めるため、常に軌道修正を繰り返しつつ、日々研鑽を積む毎日です。

人生経験こそが、相手を想う気持ちを培う

代表取締役としての自分があらためて思うのは、建築とは「クライアントの“おもい”の具現化」であるということです。おもいとは、「想い、思い、憶い」。建築は、施主様の過去、未来、憶測や希望から導き出される“おもい”を、建物というカタチあるものに落とし込み、現実化していくプロセスです。ある設計がクライアントに評価されたからといって、それは成功事例ではありません。別のクライアントには別の“おもい”があるからです。

建築に正解はありませんが、クライアントが描く理想に少しでも近づけるためには、自分が積み重ねてきた経験の厚みが何よりも大切です。さまざまな経験があるからこそ、相手の立場で考え、どうすれば相手が喜んでくれるかに心を巡らせることができるのです。だからこそ失敗事例も含めて、人生での実体験を深め経験値を積み重ねていくことが、相手に応じた最適解を導き出す糧になる。そう、思うのです。 全ての経験は、今に通じている。それが先代との仕事を通じて学んだことです。それこそが、僕にとって最大の経験値と言えるでしょう。

株式会社 本澤建築設計事務所

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